●CBTの概要
歯学部では、5年生から始まる実務実習のために4年生※になると知識・問題解決能力の評価試験であるCBT、態度・診察技能の評価試験であるOSCEが実施されます。
CBTとは「Computer-Based Testing」の略で、これは各大学独自の試験ではなく、全国共通の試験となります。ほとんどの大学で5年生への進級要件にもなっています。
※5年生でCBTを実施している大学もあります(岡山大学など)。
●CBTの試験形式
【実施日程】
大学によって異なりますが、概ね1月~2月頃に実施されます。
【出題範囲】
『歯学教育モデル・コア・カリキュラム』に準拠
A 歯科医師として求められる基本的な資質・能力
B 社会と歯学
C 生命科学
D 歯科医療機器(歯科材料・器械・器具)
E 臨床歯学
E-1 診療の基本
E-2 口腔・顎顔面領域の常態と疾患
E-3 歯と歯周組織の常態と疾患
E-4 矯正歯科・小児歯科治療
E-5 高齢者、障害者、精神・心身医学的疾患
E-6 医師と連携するために必要な医学的知識
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問題形式 |
問題数 |
所要時間 |
解答済の見直し |
ブロック1 |
単純5肢択一形式 |
60問 |
60分 |
可 |
ブロック2 |
単純5肢択一形式 |
60問 |
60分 |
可 |
ブロック3 |
単純5肢択一形式 |
60問 |
60分 |
可 |
ブロック4 |
単純5肢択一形式 |
60問 |
60分 |
可 |
ブロック5 |
多選択肢2連問形式 |
10セット20問 |
60分 |
不可 |
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順次解答2連問 |
10セット20問 |
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ブロック6 |
順次解答4連問 |
10セット40問 |
60分 |
不可 |
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計 320問 |
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●試験の形式
パソコンを使用した試験となり、画面に表示された問題(選択式)に解答する形式となります。問題はランダムに表示されるため、受験生によって解答する問題が異なりますが、難易度が同じになるように調整されています。
●合格基準
大学により合格基準が異なり、65%~75%程度の幅があります。
320問中240問が採点対象、残り80問は新規に作成された試行問題のため採点対象外となります。ただし見分けることはできませんので、全問とも全力で取り組まないといけません。
CBTの成績と国家試験の成績に相関関係があることから、年々CBTの合格基準が高くなっています。それに伴い、CBTが原因で留年、退学となる学生が増えています。
●対策について
CBTでは「E 臨床歯学」の出題割合が減少し、「C 生命科学」の出題割合が大幅に増えました。「C 生命科学」では
C-1 基礎自然科学
C-2 生命の分子的基盤
C-3 人体の構造と機能
C-4 感染と免疫
C-5 病因と病態
C-6 生体と薬物
を学習します。ヒトの体の仕組みに関する科目であるため、臨床領域の内容を理解するための土台となっています。臨床領域をスムーズに理解するためにも生命科学の理解は欠かせません。
「E 臨床歯学」の出題割合は「C 生命科学」と同じで、両方合わせると75%となります。この2つの領域の成績次第で合否が決まると言っても過言ではありません。また、「D 歯科医療機器」の領域も臨床領域と関係します。そのため、「C 生命科学」と「D 歯科医療機器」を学習してから「E 臨床歯学」に移行するというのが理想です。
「E 臨床歯学」は範囲が広いため、C、D領域と同時に対策を進める方法もありますが、各領域の関係性を把握しながら対策を進める必要があるため、一人で勉強をされる場合はかなりハードルが高くなると思います。
「A 歯科医師として求められる基本的な資質・能力」と「B 社会と歯学」は衛生学に関連する内容が多いため、C、D、E領域とは分けて対策が可能です。
●清光でのCBT対策について
清光では出題割合の多い「C 生命科学」「D 歯科医療機器」「E 臨床歯学」の対策を優先的に行っています(この3領域で全体の83.3%を占めます)。
「C 生命科学」「D 歯科医療機器」の知識を体系化し、丸暗記ではなく理解することで、修得した知識を「E 臨床歯学」に繋げます。理解することで知識が定着しやすくなります。
また、「E 臨床歯学」ではレントゲンやCTなどの画像問題も多く出題されますので、画像の見方、解析方法についても指導を行っております。
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